小説

【アルジャーノンに花束を】作者、登場人物と読んでみた感想【小説】

この記事を読むのに必要な時間は約 26 分7秒です。

こんばんは。ことのは。です。

今日は小説「アルジャーノンに花束を」

感想を書いていきたいと思います。

この小説は何回も読み返しているぐらい

好きな小説なのでこのブログを立ち上げたのを

きっかけにレビューしてみたいと思います。

 

何回も読み返しているにも関わらず、

また最初から読むと最初の1行目を読むだけで、

泣きそうになります。

まぁ、それは結末を知っている

からかもしれませんが(笑)

かなり感情を揺さぶられるし、

考えさせられることが多い内容になっています。

それでは、早速作者さんから

紹介していきますね。

作者情報

「アルジャーノンに花束を」を書いたのは

ダニエル・キイスさんです。

 

ダニエル・キイス(Daniel Keyes、1927年8月9日〜2014年6月15日)は

アメリカ合衆国の作家。ヒューゴー賞を受賞した中編とそれを長編化してネビュラ賞を受賞した「アルジャーノンに花束を」で知られている。オハイオ大学名誉教授。

2000年、アメリカSFファンタジー作家協会はキイスに名誉作家(en)の名誉を授与した。

比較的寡作な作家であったが、鋭い視点と深い洞察を持った作品を、フィクション・ノンフィクション問わずに著した。

Wikipediaより引用。

ダニエル・キイスさんはすでに

亡くなられていますが当時ニュースで見たときは

すごくショックを受けたのを

今でも覚えています。

その時に頭に浮かんだのは

「アルジャーノンに花束を」のことでした。

それぐらいことのは。の印象にすごく

残っている小説です。

今こうしてブログを書くために改めて読んでみて

懐かしさと一緒にまたこうして

「アルジャーノンに花束を」

読むことが出来ていることが嬉しく思います。

さて、そんなダニエル・キイスさんの

他の作品も載せておきますね。

主な著作

【小説】

  • 1959年 アルジャーノンに花束を(Flowers for Algernon)中編
  • 1966年 アルジャーノンに花束を(Flowers for Algernon)長編
  • 1968年 タッチ(The Touch)
  • 1980年 五番目のサリー(The Fifth Sally)
  • 1993年 心の鏡(日本で編まれた短編集)
  • 1998年 眠り姫(Until Death Do us Part)
  • 2009年 預言(The Asylum Prophecies)

【ノンフィクション】

  • 1981年 24人のビリー・ミリガン(The Minds of Billy Milligan)
  • 1986年 クローディアの告白(Unveiling Claudia)
  • 1994年 ビリー・ミリガンと23の棺(The Milligan Wars)
  • 1999年 アルジャーノン、チャーリィ、そして私(Algernon,Charlie,and I)自伝

「アルジャーノンに花束を」登場人物

チャーリイ・ゴードン・・・ドナー・ベイカリーの店員

ジェイ・ストラウス博士・・・ビークマン大学の精神科医。脳外科医

ハロルド・ニーマー教授・・・ビークマン大学心理学部長

アリス・キニアン先生・・・ビークマン大学知的障害成人センターの教師

バート・セルドン・・・ビークマン大学心理学専攻の大学院生

マット・ゴードン・・・チャーリイの父

ローズ・ゴードン・・・チャーリイの母

ノーマ・・・チャーリイの妹

ハーマン・・・チャーリイの伯父

アーサー・ドナー・・・ドナー・ベイカリーの店主

●ドナー・ベイカリーの店員●

ギンピイ

ジョウ・カープ

フランク・ライリイ

ファニイ・バードン

バーニイ・ベイツ

アーニイ

あらすじ

32歳になっても幼児の知能しかない

パン屋の店員チャーリイ・ゴードン。

そんな彼に、夢のような話が舞いこんだ。

大学の偉い先生が頭をよくして

くれるというのだ。

この申し出にとびついた彼は、

白ネズミのアルジャーノンを

競争相手に、連日検査を受けることに。

やがて手術により、チャーリイは

天才に変貌したが・・・・・・

超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、

喜びと孤独を通して

人間の心の真実に迫り、

全世界が涙した現代の聖書

手術を受けるきっかけ

この小説の主人公であるチャーリイ

ドナー・ベイカリーで働く32歳の男性。

チャーリイは週に3回、仕事の後で

ビークマン大学の知的障害成人センターで

読み書きの勉強をしています。

ノート 画像

そこで同じビークマン大学の

ジェイ・ストラウス博士と

ハロルド・ニーマー教授と出会います。

出会う描写は書かれていませんが

そこで勉強している人たちを見て

誰に手術を受けさせるかを

ジェイ・ストラウス博士と

ハロルド・ニーマー教授は

決めていたと思います。

なぜチャーリイ選ばれたかというと

誰よりも一生懸命勉強していて〈賢くなりたい〉

願っていたからだと思います。

チャーリイはジェイ・ストラウス博士と

ハロルド・ニーマー教授に言われて

経過報告を書いています。

経過報告には考えたことや起こったことを

書くように言われています。

最初の方の経過報告は、

ほとんどがひらがなで書かれていて

漢字で書いてあっても間違っていたり、

句読点がないのですごく

読みづらくなっています。

小さい「っ」「ゃ」が書けないので、

「なって」が「なて」や

「起こって」が「起こて」に

なっていたりしますがその文章からは

チャーリイの純粋さや一生懸命書いているのが伝わってきます。

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チャーリイが受けたテスト

さて手術を受けるためにチャーリイが受けた

テストのことを書いていきたいと思います。

〈ロールシャッハテスト〉

ロールシャッハテスト(Rorschach test,Rorschach inkblot test)は

投影法に分類される性格検査の代表的な方法のひとつである。

被験者にインクのしみを見せて何を想像するかを述べてもらい、その言語表現を

分析することによって被験者の思考過程やその障害を推定するものである。

スイスの精神科医ヘルマン・ロールシャッハによって

1921年に考案された。ロールシャッハ法、ロールシャッハ検査、ロールシャッハ検査法

などとも呼ばれる。

Wikipediaより引用

ロールシャッハテストは

インクのしみが何の絵に見えるかによって

思考や性格を知る検査ですがチャーリイ

インクのしみから絵を見ることが

出来ませんでした。

 

試験官であるバートはインクのしみから

絵を想像しろと言いますが

チャーリイにはどうしてもそれが出来ずに

テストは終了してしまいます。

インクのしみから見えた絵が一般的なものなら

特に問題はなしと判断されたり逆にあまり

イメージのよくないもの、

「悪魔」「鬼」が見えたら要注意という

カードもあります。

ロールシャッハテストは思考や性格を

知るテストですがチャーリイの場合は

少し違った見方をしているのかなと思いました。

つまり何が見えるかよりも

「想像出来るか出来ないか」

焦点を当てていたのかなと感じました。

チャーリイに絵が見えるか見えないかは

わからなかったけどやってみて

「想像力」があるかないかを

見極めていたのかなと思いました。

〈主題統覚テスト〉

このテストは

「写真を見て物語を作りなさい」という

テストなんですがチャーリイ

混乱してしまいます。

なぜなら、ロールシャッハテストと

混同してしまっていて何が見えるかの

テストだと思ったからです。

それを試験官に伝えるとこのテストは全くの

別物として考えてと言われます。

写真を見て物語を作るように言われた

チャーリイ「知らないしとの話なんか

       つくれない」言います。

試験官は「知っているふりをすればいい」と

言いますがそれに対してもチャーリイ

「それでわうそをつくことになる」と伝えます。

これだけの文章でもチャーリイの純粋さ、

優しさが見れる場面だと思います。

嘘をつけない優しさ、素直さが

チャーリイにはあってすごく共感が

出来る部分ですね。

主題統覚テストロールシャッハテスト

性格を知るためのものだと説明された

チャーリイは試験官に

「だれかがいんくをこぼしたかーどとか

知りもしないしとのしゃ真でどして

そんなことがわかるのですか」と反論します。

内心ではドキドキビクビクしてると思うけど

こういう強気なところもあるチャーリイ

すごいと思います。

人に意見を言うのって簡単なようで難しいので

自分の信念を曲げずに主張できるチャーリイ

ちゃんと自分の意思を持った人間なんだなと

思える場面になっています。

〈迷路〉

紙の迷路で「はじめ」と「おわり」と

書かれている普通の迷路に挑戦する

チャーリイですが何回やっても

ゴールにたどり着くことが出来ません。

そこで試験官のバートはチャーリイ

実験室に連れていきます。

ここで初めて「アルジャーノン」が登場します。

「アルジャーノン」チャーリイが受ける手術と

同じ手術を受けて長い期間、高い知能を

維持しているネズミです。

「アルジャーノン」はこの迷路を

上手にこなせるとチャーリイは聞かされます。

実際に箱で出来た立体の迷路に

「アルジャーノン」を入れると

どんどん正しい道を辿って

ゴールにたどり着きます。

それを見たチャーリイ

「アルジャーノン」競争することになります。

「アルジャーノン」と全く同じ迷路で、

チャーリイ電気棒を持たされて

迷路に挑戦します。

間違った道に行くと電気が流れて

その道は間違っているとチャーリイ

教えてくれます。

何回も間違えて結局ゴールに

たどり着くことが出来ないのでどれぐらい

電流がチャーリイに走ったのか

気になるところではあります(笑)

何度やっても「アルジャーノン」

に勝つことが出来なかったチャーリイですが

そこで諦めたりせずに「アルジャーノン」

迷路をクリアするのをひたすら観察し、

その方法を勉強し始めます。

こういうところもチャーリイに好感が

持てる部分ですね。

「出来ないから諦める」のではなく、

「出来ないからこそどうすれば

出来るようになるか」考える、その向上心が

チャーリイにはあるし、だからこそ

ジェイ・ストラウス博士も

ハロルド・ニーマー教授もチャーリイ

術を受けさせようと決めた

一つの理由だと思います。

手術する前と後のチャーリイ

さて、いろんなテストを繰り返して

正式にチャーリイに手術を

することが決定します。

チャーリイの心境として、

すごく嬉しかったと思うけど

それでも手術は怖いもの。

手術室ではたくさんの医者がチャーリイ

見物しているし緊張しないって

無理な話ですよね。

ただでさえ怖いのに見せ物に

されていると知ったら・・・・・・。

手術が無事に終わって、包帯が取れた3日後から

チャーリイ経過報告を書き始めます。

チャーリイは手術が終わってから毎日のように

自分の頭がよくなっているかを確かめています。

実際には徐々によくなっていくものなので

その変化がわからなくてチャーリイ

少し焦りを感じています。

チャーリイがなぜこんなにも頭がよくなることに

執着しているのかには理由があります。

まず、当然ながら純粋に

頭が良くなりたいということ。

そしてもう一つは

「友達が欲しいから」だと思います。

自然の写真

手術を受ける前のチャーリイは何度か

「ただみんなみたいに頭がよくなりたいので

そうすればみんなぼくを好きになて友だちが

たくさんできるとおもう」

「もしおまえの頭が良くなったら

話す友だちがたくさんできるから

おまえわもうずーとひとりぼちじゃ

なくなるんだよ」

この言葉だけでも、チャーリイの切なさや

悲しい気持ちが伝わってきますね。

頭が良くなって周りの人が言っている内容

ー神様のこととか、大統領のこととか

共和党や民主党の話ーが出来るようになって

みんなと議論したり話が出来るようになると

チャーリイは思っています。

さて、手術が終わってからの経過報告を

読んでいくと一つの変化に気づきます。

それは経過報告が少しずつ読みやすく

なっているということ。

漢字の間違いも減っているし、

改行や句読点が入っていて読みやすく

まとめられるようになっています。

原稿用紙 画像

チャーリイは何度も経過報告に

ドナー・ベイカリーで働く他の人は

よく自分のことを笑っているけれど、

みんな自分のことが好きで

いい人で友だちなのです。と書いています。

チャーリイはそれを疑わなかったし、

笑っているのは仲良しで友だちだと思って

くれているからー。

しかし、手術をして少しずつ知能が上がってきた

チャーリイは気づいてしまいます。

それはジョウ・カープとフランク・ライリイが

パーティに誘ってくれたときの出来事。

ジョウ・カープにエレンと踊るように

言われたチャーリイ。

チャーリイとエレンは踊り始めるけど

チャーリイは何度も転んでしまいます。

自分たちの他に踊っている人がいないのに

なぜ転ぶんだろう。足が突き出されて

転んでしまうとチャーリイは経過報告に

書いています。

チャーリイのステップを見て周りの人は

笑いますがチャーリイも面白くて

同じように笑います。

転ぶ度に周りが笑い、チャーリイも楽しくて

笑っています。

でも最後の瞬間、ジョウ・カープが

チャーリイの背中を押して

転ばせていたのだと気づいたときには

チャーリイの顔から笑いが消えてしまいました。

そう、チャーリイは知ってしまったんです。

みんなが笑っていたのは、

チャーリイが好きだからでも友達だからでもなく、

笑い者にしていたということを。

エレンはチャーリイに果物を差し出し、

何の疑いもなくそれを食べますが、それは

蝋で出来た作り物でした。

それを見て周りはまたも大笑い。

以前のチャーリイならこんなことをされても

一緒になって笑っていたけど、

周りのことが少しずつ理解出来るように

なっている今、みんなが自分を笑い者に

していたことを知り、恥ずかしさで

いっぱいになります。

それからチャーリイはパン屋の仕事に

行かなくなります。

これってすごく悲しい現実ですよね。

今まではみんなが笑ってくれていた、

楽しんでくれていた。みんな友達だから。と。

でも実際はチャーリイが理解出来ないの

をいいことにみんなで馬鹿にしたり

からかっていただけだったということを。

大好きなパン屋の仕事を休むほど

チャーリイはショックを受けてしまいます。

でもそれも当然というか、チャーリイは何度も

「みんな友達で僕のことを笑うのは

 僕のことが好きだから」

言っています。

この言葉がずっと、ことのは。は

心に響いていてチャーリイの純粋さを

現している一言ですね。

手術を受ける前は一点の曇りもなく

疑いすらしなかったことが手術を受けて

知能が上がったことで今までは気づかなかったこと、

知らなかったことをどんどん

知っていってしまいます。

もちろん、手術をしたことで

確実に頭はよくなったけど見たくなかった、

見る必要もなかった「現実」

チャーリイを襲っていくことになります。

チャーリイを襲う現実

・チャーリイを取り巻く世界は優しいだけの

 世界じゃなかった

・みんな友達だと思っていた

・知能と精神の成長が追いつかない

・孤独になった

・知能が急速に発達したことで

 周りとの溝が出来ていく

まず、チャーリイを取り巻く世界は

優しいものだと思っていたこと。

これは大人になって社会なり、

交友関係を築いていけば自然と

ぶつかる壁だと思うし、常に本音で

話せばいいわけじゃないしある程度の

建前も必要で

・今、話しても大丈夫な内容か?

・これは話してもいい内容なのか?

そういう見極めをしていくことは

日常の中で必要なことだと思います。

これはことのは。が感じていることですが

喋った内容をすぐに他の誰かに

喋られることがすごく嫌で自然と

そういう取捨選択をしながら綱渡りの会話を

している状況が多いです。

自分が喋った内容を相手が言おうが

黙っていようが割り切ってしまえば

いいのかもしれませんがどうにも我慢が

出来なくてずっと悩んでいることの一つですね。

確かにさらけ出す、さらけ出されていることで

近寄りにくい印象も変わったようで、

以前よりは周りの人と楽しく会話することが

出来るようになっています。

でも、心の中ではどこかモヤモヤしていて

・こんなに喋っていいんだろうか?

・自分の趣味のことや私生活のことを

 言うこと

にはまだまだ抵抗を感じてしまっています。

でもこういうことを思うのにも、大人としての

いろんな経験、場の空気を読む。などがあっての

ことだと思うんですよね。

でもチャーリイにはそれがなくて、

周りの人はみんないい人でみんなが

好いてくれている。と本当に心の底から

純粋に思っている。

一点の曇りもなく綺麗なガラスから

外を覗いているようなものなんでしょうね。

その世界が、知能を上げたことにより

「現実」見えてしまった。

ドナー・ベイカリーの店員やドナーさん。

ジェイ・ストラウス博士や

ハロルド・ニーマー教授、アリス・キニアン先生。

みんなが自分を思ってくれていると

思っていた世界は少しずつ崩れていきます。

まずは、ドナー・ベイカリーの店員たち。

チャーリイの知能が上がることで

粉ねり機の操作や、粉ねり機の

生産性を上げる方法を提案して

チャーリイは昇給しボーナスも

もらえるようになったしお給料も

増えていきます。

でもドナー・ベイカリーの店員たちはみんな

チャーリイと話をしてくれなくなります。

みんながチャーリイを怖がって

避けていくようになります。

やがてはチャーリイを無視するようになり

敵意を見せる人も出てきてしまいます。

チャーリイはパン屋の他の人たちが

「変わってしまった」言っていますが、

変わったのは「パン屋の人」ではなく

「チャーリイ」自身。

知能が上がったことで、理解出来ないのを

いいことに

「みんなが自分を笑っている」

「僕を連れ回していたのは僕を

 笑い者にするため。

 少なくともチャーリイといることで

 その自尊心を守れるから」

だとチャーリイは思ってしまいます。

確かに、そういう部分もあるとは思いますが

実際に頭が良くなってからのチャーリイ

アリス・キニアン先生はこう言います。

「あなたは、前とは違ってしまった。

 変わったわ。

あなたのIQのことを言ってるんじゃないの。

他人に対するあなたの態度よー自分は同じ

人種じゃないとでもー」

「以前のあなたには温かさ、率直さ、思いやり

そのためにみんながあなたを好きになって

あなたをそばにおいておきたいという気になる、

そんな何か。それが今は、あなたの知性と教養の

おかげですっかり変わってー」

そう、チャーリイは急速な知能の発達によって

IQは上がっていますが精神面、情緒的な部分

発達が追いついていなかったんですね。

その結果、傲慢で他人を見下す冷たい人間に

なってしまっていました。

このことに関してはチャーリイだけを

責めることは出来ませんが

どんなに頭が良くなっても優しさ、思いやりが

なくなってしまうと人間らしさが

なくなってしまうんだと思います。

その結果、チャーリイは長年働いていた

ドナー・ベイカリーをクビになり

途方に暮れてしまいます。

理由を聞けば、チャーリイが何でも知っている

インテリになってしまったから。

以前は誰もがチャーリイの優しさ、素直さに

惹かれていたんですね。

だからチャーリイの周りには人がいた。

でも知能を手に入れたチャーリイの周りからは

人がいなくなり、孤独になってしまいました。

手術を受ける前のチャーリイ

「ただみんなみたいに頭がよくなりたいので

 そうすればみんなぼくを好きになて

 友だちがたくさんできるとおもう」

「もしおまえの頭が良くなったら話す

 友だちがたくさんできるからおまえわもう

 ずーとひとりぼちじゃなくなるんだよ」

信じて疑わなかったのに、それとは逆に

周りからは人がいなくなり、

ひとりぼっちになってしまいます。

更にはこの実験を提案した

ジェイ・ストラウス博士も

ハロルド・ニーマー教授も、

チャーリイのことをただの実験材料としか

思っていなかったことにも気づいてしまいます。

この部分は特に考えさせられる

部分でありますね。

確かに笑い者にするのはよくないですが

知能を手に入れたチャーリイはおそらく

知らず知らずのうちに周りを笑い者に

していたんだと思います。

急激に知能が上がったことで情緒面の成長が

ついていけなくて一番わかりやすい

短絡的な方法を取ってしまった。

本来なら手術を提案した

ジェイ・ストラウス博士や

ハロルド・ニーマー教授たちが

そういう精神面のサポートも

するべきだったのかもしれませんが

チャーリイ「アルジャーノン」のことを

学会に発表することで頭がいっぱいになっていて

そこまで考えていなかったんでしょうね。

みなさんはこの状況をどう思いますか?

ことのは。の考えでは

誰も悪い人はいなかったと思います。

チャーリイも悪くなかったしパン屋の人たちも

アリス・キニアン先生も、

ビークマン大学の人たちも。

ただ、みんなが自然な流れで行動をしただけで

ただ歯車がずれてしまっただけ。

チャーリイの笑い者にされていたという気持ちも

分かるし、パン屋の人たちの今まで

笑い者にしていたチャーリイ追い越されてしまい、

劣等感を感じさせられていることも、

キニアン先生のことも、

お互い好き同士でありながら敵対して

しまうことも、全てはタイミングが

ずれていただけ。

チャーリイも知能が上がったことに

うぬぼれたりせず

誰かに相談するという方法も

あったと思いますが知能が急激に

上昇している真っ只中の

チャーリイにはそんな考えはまず

浮かばなかったと思います。

ジェイ・ストラウス博士や

ハロルド・ニーマー教授、

アリス・キニアン先生は

手術を提案した側として精神面でのサポートを

するべきだったと思います。

まぁ、急速に知能が上がってしまった

チャーリイそういう助言をしても

聞き入れられなかったかもしれませんが^^;

チャーリイが抱いていた理想は簡単に

崩れ去ってしまったんですよね。

ジェイ・ストラウス博士や

ハロルド・ニーマー教授は

すごく偉い人たちで自分の頭を

良くしてくれるすごい人、と

思っていたのに実際は肩書きに頼り

研究の成果を発表することで

自分の地位を守ろうとする

ただの人間だったということに。

でもそれが本当にあるべき人間の姿であり

チャーリイが先に進み過ぎて

しまっただけのこと。

それが皮肉にもチャーリイ

本当の孤独にしてしまいました。

このブログを読んでいる皆さんは

どう思いますか?

チャーリイのその後

さて、チャーリイを取り巻く環境にはたくさんの

変化がありましたが、それでも現実は否応なしに

進んでいきます。

チャーリイ「アルジャーノン」の研究を

シカゴの学会で発表することになっていて

チャーリイはジェイ・ストラウス博士、

ハロルド・ニーマー教授と

一緒に移動しています。

ハロルド・ニーマー教授はチャーリイ

「アルジャーノン」研究について意見を

求められ、意気揚々と説明をしますが

チャーリイはその意見に対して

他の論文、ハロルド・ニーマー教授には

まだ読めない論文のことを持ち出します。

しかしその論文を読んでいない

ハロルド・ニーマー教授には

何のことかわからない状況です。

後でそのことについてジェイ・ストラウス博士に

聞いたチャーリイは衝撃を受けます。

なぜなら、ハロルド・ニーマー教授はその論文を

読むことが出来ないから議論することが

出来ないのだということを。

チャーリイは自分が様々な言語、

知識を持っていることで相手も同じだと

思っていたようです。

このことについてチャーリイ

教授や博士のことを

「天才のふりをしていた」と言っていますが

博士も教授も天才のふりをして

いなかったと思います。

それはチャーリイが勝手に思い描いた理想であり

自分のことを手術で頭を良くしてくれる

天才なのだ。と。

しかしジェイ・ストラウス博士も

ハロルド・ニーマー教授も

ある意味では凡人であり、

努力をして様々な知識を手に入れた人間

あるということです。

チャーリイのように

「作られた」天才ではなく

血のにじむような努力をして上り詰めて

きたんだと思いますね。

さて、学会当日おとなしくその

発表を聞いていたチャーリイですが

その発表の中で手術をする前の

チャーリイは人間ではなかった

我々がチャーリイに新たな命を

吹き込んだと言っているのを

聞いてチャーリイは憤りを覚えます。

「私は、手術をする前も人間だった」

そう感じたチャーリイは籠に入れられていた

「アルジャーノン」を逃し自らも

その場から逃走します。

躍起になって捕まえようとする

博士や教授の元から逃げ出し、

チャーリイ「アルジャーノン」

2人だけの生活が始まります。

チャーリイ「アルジャーノン」のために

迷路を作り更なる知識を手に入れるために

勉学に励みます。

そんなある日、チャーリイ

「アルジャーノン」奇妙な行動に気づきます。

それは学会でも触れられていた行動でした。

「アルジャーノン」は作業を行うことを

拒むようになり空腹のときでも

問題を解いても食物を摂ろうとは

しなくなったということです。

シカゴの学会から逃げ出してから

チャーリイ「アルジャーノン」のその

奇妙な行動を目の当たりにします。

走った後や、走っている途中でも

狂暴になったり迷路の壁に体当たりする、

体を丸めて走ることを拒否するなど。

チャーリイ「アルジャーノン」

奇妙な行動について調べるために再び

ジェイ・ストラウス博士と

ハロルド・ニーマー教授の元に戻ります。

そこでチャーリイ

今回チャーリイ「アルジャーノン」

行われた実験について調べ始めます。

そこでチャーリイ「アルジャーノン」の知能が

後退し始めていること、以前は簡単に

クリア出来ていた迷路も出来なくなって

いることを知ります。

迷路をクリア出来ず猛り狂ったように

なったかと思えば、難なく迷路をクリアしたりと

一貫して迷路をクリアすることが

出来なくなっています。

それに加えて迷路の壁に体当たりをする、

宙返りをするその場でぐるぐると回り出す、

そして最後には知覚麻痺のような

状態になったりと。

今回の実験のことを調べたチャーリイ

自分自身が辿る答えに行き着きます。それはー

『人為的に誘発された知能は、

 その増大量に比例する速度で低下する』

「アルジャーノン」は知能が後退し始め

最終的には死んでしまいます。

「アルジャーノン」を解剖したチャーリイ

「アルジャーノン」の脳が正常な脳と比べて

重量が減少し全般的な萎縮と脳溝の開大

見られたことを突き止めます。

そして「アルジャーノン」に起こったことが

自分自身にも起こることを知ってしまいます。

つまりチャーリイも手術をする前のチャーリイ

戻ってしまうということ。

そして手術によって得られた知識や

経験が作用して元のようには戻れない、

前よりも酷い状況になるかもしれないことを

知ってしまいます。

その状況に絶望するチャーリイですが

残された時間で自分に出来ることは

やっておこうと退行していく自分の状況、

元の状態に戻ってしまった後のことを知り、

少しでも抗おうとしますが次第に

経過報告を書くことが困難になっている、

運動機能の低下、覚えた知識を急速に

忘れていっている自分に気づきます。

もうあの頃には戻りたくないというチャーリイ

気持ちとは裏腹に確実に退行は進んでいく。

これってすごく怖いことだと思います。

自分の行く末を知りながら止める手立てはなく

前よりも酷くなるかもしれない、そんな恐怖と

戦いながらも必死にしがみつこうとしている

チャーリイの気持ちは痛いほどに

伝わってきます。

以前に自分自身が書いた経過報告や

論文を読むことが出来なくなっていきます。

そんなチャーリイの身の回りの世話をしていた

アリスもチャーリイの元から去ってしまいます。

アリスはチャーリイ

「IQよりも大事なものがある」言ってなぜ

チャーリイの周りには人がいたのかということを

教えてくれます。

 

アリス「あなたは以前持っていたものを失ってしまった。あなたは

    笑顔を持っていた・・・・・・」

チャーリイ「うつろな愚鈍な笑顔をね」

アリス「いいえ、あったかい心からの笑顔よ。あなたは

    みんなに好かれたいと思っていたから」

退行が始まってからの経過報告はだんだんと

最初の頃のチャーリイに戻っていきます。

ひらがなばかりで漢字で書かれていても

間違っていたり改行もなく句読点も

ないので読みにくい。

それでも自分のことは自分でやりたい、

だから働く決断をすること、

自分の面倒が見れなくなったら

養護学校に行くと決意をします。

完全に元の状態に戻ったチャーリイ

ドナーさんの元を訪ねてもう一度

働かせてくださいとお願いをします。

ドナーさんは親切にしてくれて再び

ドナー・ベイカリーで働くことになります。

チャーリイがいつも通りトイレの掃除を始めると

新しく入った男にからかわれてしまいます。

以前のチャーリイならここで

からかわれているとは思わなかったけど、

その男の言い方から

からかわれていることに気づいたんです。

だから短い間でも知能が上がった

経験は無駄じゃないんです。

無視するチャーリイに男は腕を掴み

折ろうとします。

チャーリイは泣き出し離してくれと

お願いしますがはなしてくれずに怖さから

粗相をしてしまいます。

そこにジョウ・カープが来て

「こいつに手をだすな

 このうすぎたないやろーめ」

チャーリイわいいやつだからだれもむ責任に

 こいつをおどかしたりしないんだ」

と男を追い払ってくれます。

そしてギンピイも

チャーリイもしだれかがおまえを困らせたり

だましたりしたらおれかジョウかフランクをよべ

おれたちがかたをつけてやるからな。

おまえにわともだちがいるってことを

おぼいといてもらいたいなそれを忘れるなよ」

と言ってくれます。

以前は馬鹿にしてからかったりしていたけど

本当はチャーリイのことを思っていて

くれていたんだなってすごく感動できる

場面です。

きっとチャーリイがドナー・ベイカリーを

去ってからも

ずっと気にかけていたんだろうなと思います。

「高いIQよりも大事なもの」って

こういうことなのかも

しれませんね。

手術をして賢くなったチャーリイ

傷つけられたかもしれないけどこうして

戻る場所がある、待っていてくれる

人がいるって素敵なことですよね。

結局は元のチャーリイに戻ってしまったけれど

チャーリイはすごく幸せな人間だと思います。

最後にチャーリイが書いた一文で

終わりたいと思います。

「ついしん。どーかついでがあったらうらにわの

 アルジャーノンのおはかに花束をそなえて

 やてください」

それでは最後までお読みいただき

ありがとうございました。

感謝 イラスト

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