レビュー

【月の影 影の海】の読書感想文。信じるということは何か?【十二国記】

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分21秒です。

こんばんは。ことのは(@kotonohaho)です。

今日は十二国記シリーズの

「月の影 影の海」(上)の感想を書いていきたいと

思います!

 

舞台は現代の日本から海を渡った異界の国へと

移り変わっていきます。

そこで起こる裏切りや苦難が描かれていて

心に痛く響く作品となっています。

「月の影 影の海」のあらすじ

平凡な女子校生活を送っていた

陽子の元に、ケイキと名乗る男が現れるところから

始まる。

 

「お捜し申し上げました」と言いながら

陽子の足元に跪くケイキ。

 

いきなり海を渡り、地図にない異界へと

連れ去られた陽子。

 

ケイキがいるから大丈夫と思っていたのに

肝心のケイキとはぐれ、一人異界を

さまようことになる陽子。

 

右も左もわからないまま進む陽子に迫るのは

出会う者からの裏切りと見たこともない獣。

 

その獣が何なのかも、異界の場所についても

わからないまま、戦い続ける陽子。

 

すごい勢いで押し寄せる苦難を前に

故国へ帰ることを誓う陽子の執着を

支えていた存在とは・・・。

「月の影 影の海」について

「月の影 影の海」の発売は

1992年6月20日。

 

先に魔性の子を読んでおくと

世界観がつかみやすいと思います。

 

リアルタイムで十二国記を追いかけていたら

発売された順番に読んでいけばいいと思いますが

 

私のようにハマったのがつい最近・・・という方の場合は、

「魔性の子」→「月の影 影の海」という

順番がいいかなと思います。

 

2020年6月の段階でかなりのシリーズが

発売されているので、どれから

読めばいいのか正直困ってしまいますよね^^;

 

適当に読み進めるとストーリーの流れが

つかみにくくなると思うし

もし身近に「十二国記」を読んでいる人がいれば

教えてもらうのもいいですね^^

 

参考までに、「十二国記」の理想の読む順番を

載せておきますね^^

「魔性の子」

「月の影 影の海」

「風の海 迷宮の岸」

「東の海神 西の滄海」

「黄昏の岸 暁の天」

「図南の翼」

「不緒の鳥」

「白銀の墟」

あくまで私が思う順番ですので

参考までにしていただけたらと思います^^

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「月の影 影の海」の感想

さて、前回読んだ「魔性の子」はページ数として

約480ページだったのに対して

「月の影 影の海」は約280ページほど。

 

なので、サクッと読めるぐらいの

ボリュームだと思います。

 

あわせて、ストーリー的にも怒涛の展開なので

ハマりさえすれば割とサクサクと読めると思います。

 

私の場合はおもしろくてかなり引き込まれたので

すぐに読み終えることができました^^

 

印象に残ったのが陽子を襲う日常からの変化

人を信じられなくなったこと、

獣に襲われ、飢えと満身創痍の体でも

一人で戦い、一人で眠り乗り越えたことですね。

 

いきなり異界の地へと、わけもわからないまま

連れてこられ、ひとりぼっちになり

わけのわからない獣に襲われてボロボロに

なりながらも、ある一つの希望を胸に

戦い続けた陽子に拍手を送りたいです。

現代の日本から異界の地へ

何気ない日常生活を送っていた陽子の元に

突然現れたケイキという男。

 

ケイキはずっと陽子を捜し続けていて

やっと見つけたときにはかなりの

危険が迫っていました。

 

ケイキもわけがわからなくて

パニックになっている陽子に

説明してあげればいいんだけど

「そんな暇はない」と言うばかり。

 

実際にかなりの危険が迫っていて

見たこともない獣が現れ

穏やかだった学校が

突然、異世界に迷い込んだかのような

展開に。

 

陽子を守るため、嫌がる陽子を安全な場所へと

連れていくためにケイキは、陽子を

獣の背中に乗せ空の旅へと。。。

 

十二国記はファンタジー小説というだけあって

空飛ぶ獣に乗って、異世界へ海を渡って行く。と

いうのは、こんな危険な状況でなければ

かなり神秘的(?)な感じがしますね^^

陽子を襲う数々の苦難

異界の地へと向かう途中で、襲われた陽子たち。

 

ケイキに言われ渡された剣で戦うように言われるも

それを拒否し、勝手に剣を振ろうとするのが嫌で

固く目を閉じてしまう陽子。

 

結局、戦うことができずに陽子は

闇の中へと落ちていくことに。。。

 

でも、いきなり普通の学生生活を送っていたのに

わけのわからない敵が出てきたり

いきなり知らない男にひざまずかれたりしても

付いていけないってのが当たり前の感情ですよね。

 

このとき、敵に襲われた陽子が戦えばこの後の

展開はかなり楽になっただろうと思うんですが

そんなことは陽子は知らないし

いきなり獣に襲われたりしたら

混乱して当たり前ですよね。

 

ましてや状況的に、知らない男がいきなり

「捜しました」って現れたり

「危険だからついてきてください」なんて

言われても、困っちゃいますよね。

 

さて、陽子を襲う苦難は、ケイキとはぐれてしまい

たった一人、異界の地に来たところから

始まります。

 

右も左も、ここがどこなのかさえもわからない

状況で、人を発見し声をかけたのが始まり。

陽子がたどり着いたのは小さな集落。

 

そこで農作業をしている人を見つけ

声をかけるんですが・・・。

 

村の人に「どこから来たのか」聞かれた陽子は

「海の方から来た」とだけ伝えます。

これがこの先、陽子を襲う数々の苦難の

始まりになったんだと思います。

 

陽子は引き立てられ歩かされて

ある建物まで連れていかれ

閉じ込められてしまいます。

 

なぜそうなったかというと

「海から来た」と陽子が言ったことで

村の人たちに「カイキャク」だと

知られてしまったからです。

 

「カイキャク」とは漢字で「海客」です。

「海から来る来訪人のことさ。海の客、と書く。

虚海のずっと東のほうから来ると、そう言われている。

虚海の東の果てには日本という国があるそうだ。

確かめた者がいるわけじゃないけど、

実際に海客が流れてくるんだからそうなんだろうね」

「月の影 影の海」本文より引用

陽子がたどり着いた国では

海客は県知事に届けられて

いい海客か悪い海客か

その後の運命は大きく変わります。

 

なぜ、海客が現れるのかというと

それは「ショク」に巻き込まれて

海を渡り異界の地へと流されてしまうから。

 

「ショク」は「蝕」と書き、嵐のようなもの。

「蝕」は突然起こり、突然終わる。

 

「蝕」に巻き込まれた陽子は

異界の地で一人ぼっちになり

捕まってしまい、絶体絶命のピンチ。

 

どうにか逃げ出したはいいけど

所持金もなくあてもない陽子は

飢えに苦しみながら、襲ってくる獣と戦い

昼は眠るという生活をするしかありませんでした。

これってすごい悲しくて辛いですよね。

 

日本にいれば親がいて、学校があって

それなりに仲良くしている子はいて

家に帰れば温かいごはんやふとんが

あって、今日も1日無事に終わるはずだったのに。。。

 

なのに今は食べる物も飲む物もなくて

体力は限界なのに一人で戦わないといけなくて。

 

私が「月の影 影の海」を読んでいて

感じたのは「陽子の辛さ、苦しみ、悲しみ、絶望」という

感情でした。

 

陽子が悲しめば同じように悲しくなったし

陽子が辛いときは同じように辛くなったし

「感情」を揺さぶってくる小説に

出会えたことを嬉しく思っています。

人間を信じられなくなる陽子

さて、あてもなく全然知らない場所を

一人でさまよう陽子ですが

いろんな人間に出会います。

 

最初に出会ったのが、着る物を手に入れるために

入った家で達姐(たつき)という女性と鉢合わせ。

 

「見つかった!」と焦る陽子に、達姐は

すごく優しくしてくれて、ご飯を食べさせてくれて

お風呂にも入らせてくれて、着物までくれるという

すごく優しくお世話をしてくれます。

 

そんな達姐の優しさに涙を流す陽子。

今まで一人ですごく辛かったんだろうなぁって

思えるシーンです。

 

さて、仕事を紹介してくれるという達姐と一緒に

旅に出た陽子はそこでこの異国の地について

いろいろ聞かされながら目的地を目指します。

 

目的地にたどり着いた陽子と達姐。

お母さんと話してくるという達姐を見送り

店の中で待つ陽子。

 

しかし、そこで店の中にいる人たちの

視線がおかしいことに気づき、

そっと達姐とお母さんの会話を聞く陽子。

 

話の内容から、達姐にだまされていたことに

気づき、かなりショックを受ける陽子の姿が

すごく痛いですね。。。

 

すごく優しくしてくれたのに、本心では

陽子をだまそうとしていたなんて。。。

 

次に出会ったのが、また一人で旅を

することになった陽子が泊まった宿で

働くおじいさん。

 

おじいさんも陽子と同じ「海客」

久しぶりに聞いた日本語に

ひどく喜びます。

 

おじいさんが「蝕」に巻き込まれて

この世界にやってきたのは昭和20年ごろ。

 

陽子の生まれる前からおじいさんは

全く知らない、言葉も通じない国で

一人生きてきました。

 

その辛い思いや、終戦後の日本のことなど

いろんな話をしながら、陽子は

おじいさんに心を許します。

 

しかし!

朝になって陽子の荷物が

なくなっていることに気づく。

 

中には財布が入っていたのに

同じ「海客」であるおじいさんに

盗まれてしまいました。

 

ここでも陽子は絶望し

信じられるものは誰一人として

いないんだと知りました。

 

ケイキからもらった剣で周りの人間を

威圧しながら宿を飛び出す陽子。

 

陽子が思ったのは「もう誰も信じない」

いうこと。

またしても、野宿をしながら

飢えとの戦いの旅が始まります。

 

襲われ、ケガをした陽子のもとに

親子が現れ、優しくしてくれます。

 

水をくれ、水飴をくれ、一緒に里まで行こうという

親子の言葉を拒絶し、お礼を言って

立ち去ろうとする陽子。

 

それでも、「夜の道は危ないから」と

「怪しい者じゃないから」という親子。

 

結果的に陽子は、今までの経験から

親子にはついていかないんですが

もし着いていってたら

どうなったのか私はすごく

気になりますね。

 

私的には、この親子は

正真正銘、信じていい人たちだと

思うんですが、人間を信じられなくなっている

陽子には、拒絶するしかないんですよね。

 

もし、里まで着いていっていたら

達姐やおじいさんのように

裏切ってしまうのでしょうか。

 

私は信じられる人間はいると

思っているし、この親子には

陽子をだます理由も、目的もないように

思いますが、実際のところは

どうなんでしょうか?

まとめ

「月の影 影の海」上巻の感想をお届けしました!

この小説のテーマとして

人は信じられるのか?

陽子が元いた場所は本当に

温かい場所だったのか?

という「人間の感情」

テーマになっていると思います。

 

仲良く喋っていたクラスの子も

内心では陽子のことをよく思っていなかったり

そこまで深い関係だとは思っていなかったり。

 

その現実を見ながらもなお、元の場所に

帰りたいと願う陽子に光は見えるのか?

 

そんなスリルと人間模様に注目しながら

読むと楽しめると思います^^

 

それでは最後までお読みいただき

ありがとうございました。

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