小説

料理が出てくる小説が面白いのでレビューします!【注文の多い料理小説集】

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分20秒です。

こんばんは。ことのは。(@kotonohaho)です。

今日は、4月8日に発売された「注文の多い料理小説集」

感想を書いていきたいと思います!

正直、料理をテーマにした小説は読んだことなかったんですが

今回読んでみて、料理の描写、なじみのない料理から素朴な料理まで

登場するのですごく楽しめることができました。

 

小説に登場した料理も載せていきますのでよろしくお願いします。

エルゴと不倫鮨 柚木麻子

人間関係の描写、料理の描写、友情を描いた作品から

ちょっぴりダークな人間関係を描く柚木麻子さん。

今回の作品は、少しダーク寄りな印象を受けました。

登場する料理

●甘エビのプリン

●金箔を浮かべたシャンパーニュ

●キャビアとトリュフを乗せたカニのムース

●アワビの握りの肝と赤パプリカソース

●スーパータスカンのテイニャネロ

●サンジョヴェーゼ

●カベルネ・ソーヴィニヨン

●ホタテのバジルソース握り

●ピノ・グリージョとアボカドととんぶりと大トロのカリフォルニアロール

●ミモレットのお鮨

●牛肉のカルパッチョにウニを乗せた握り フォアグラのフルーツソース

 

こういう料理は私は全くなじみがないんですが

好きな人は好きな料理なんでしょうね^^

まさに高級イタリア料理という感じがプンプンします♫

 

簡単に、わからなさそうな料理名を調べてみました!

〈シャンパーニュ〉

シャンパーニュとは、フランスのシャンパーニュ地方のスパークリングワインのこと。

Wikipediaより引用

〈スーパータスカン〉

イタリア語版でスーペル・トスカーナと呼ぶ。

ワイン法や従来の格付け基準にとらわれずに造られるトスカーナ産の上質なワイン。

Wikipediaより引用

〈テイニャネロ〉

イタリアのワイン。

〈サンジョヴェーゼ〉

イタリアのトスカーナ州を中心に作られている赤ワイン用ぶどう品種。

Wikipediaより引用

〈カベルネ・ソーヴィニヨン〉

世界で最も広く栽培されている赤ワイン用のぶどう品種。

Wikipediaより引用

〈ピノ・グリージョ〉

ヨーロッパブドウの白ワイン用ブドウ品種。

Wikipediaより引用

〈とんぶり〉

アカザ科ホウキギ属の一年草であるホウキギの成熟果実を加熱加工した物。

Wikipediaより引用

〈ミモレット〉

フランス原産のチーズの一種。

Wikipediaより引用

〈カルパッチョ〉

生の牛ヒレ肉の薄切りに、チーズもしくはソースなどの調味料をかけた料理の総称。

Wikipediaより引用

 

妻子持ちの男・東條に少しずつ気を許し始めていた仁科楓にしなかえで

東條に誘われ、トリュフ・キャビア・フォアグラ、地産地消のオーガーニック野菜を

使った鮨とイタリアンワインのお店に行く。

 

そこで出会った赤ちゃん連れの母親。

卒乳記念にやってきた女性はめちゃくちゃテンション高くて

喋る喋る、そして料理も細かいオーダーをつけてシェフを困らせます。

 

店に来ていた他の客(カップル)の男性陣は猛反発。

しかし対照的に女性陣は母親の味方。

「自由な発想でマリアージュをすることが大事」という店のコンセプトには

反していないと反論します。

マリアージュ・・・この小説の中では組み合わせ、食べ物と飲み物の組み合わせという意味で使われています。

 

せっかくいい感じに彼女・仁科楓の気持ちが傾いていたのにこの母親が店に来たことで

空気は一変したと思います。

 

仁科楓が間違った道に進まなくてすんだと思うのでこの母親は

店に来ていた女性陣の救いのヒーローだと思います。

夏も近づく 伊吹有喜

いきいきとした人間模様から穏やかで優しい大人のラブストーリーを描く。

今回の小説では、ラブストーリーではないですが穏やかな人間関係が

描かれていて心が温まるストーリーだと思います。

料理の描写では素朴な料理が登場するので想像しやすいです。

登場する料理

●塩むすび

●かぶせ茶(緑茶)

●ブロッコリーのオリーブオイル漬け

●春キャベツのロシア風ピクルス

●イチゴ水(イチゴのジャムを氷水に溶かしたもの)

●しょうゆを塗ったタケノコ

●タケノコの炊き込みご飯

●シイタケのバターしょうゆ焼き

●タケノコご飯の焼きおにぎり

 

三重県の田舎で暮らす沢井拓実さわいたくみのもとに兄が現れ

中二の息子・葉月はづきをしばらく預かってほしいと頼まれます。

最初は渋る拓実だが結果的に預かることに。

 

洗濯機の使い方、掃除機の場所などを教え、葉月に部屋を与える拓実。

一緒にタケノコを採りに行ったり夜食を作ったりしているうちに

打ちとけていく拓実葉月。

しかし、そんな拓実の元から帰る日になりました。

 

せっかく打ちとけたのに・・・。とすごく寂しくなったけど

しばらくして拓実は約束していたベーコンを葉月に届けます。

 

そのときにずっと拓実の家で暮らさないかと葉月に伝える。

それを受け入れる葉月。

 

最初は田舎暮らしに乗り気じゃなかった葉月

思春期真っ只中の中学生を預かることに不安を覚えた拓実ですが

ずっと一緒に暮らすことになってすごく心がほっこりしました。

 

この小説に登場する料理は素朴な物が多く、そんな料理を

葉月のために夜食として作ってあげる拓実の優しさに感動しました。

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好好軒の犬 井上荒野

ドロドロした人間関係を描くことが多い井上荒野さん。

しかし、「注文の多い料理小説集」では爽やかな夫婦という印象を受けました。

登場する料理も和食中心、それと子供向けの料理もしっかり準備されていて

心配りが見えました。

登場する料理

●ふきのとうの味噌汁

●まぐろの山かけ

●だし巻き卵

●玉ねぎと牛肉の切り落とし

●ふきのとう、れんこん、芝海老のかき揚げ

●しょうゆと酒で下味をつけた豚モモ肉

●のっぺい汁

●菜の花のおひたし

●豆腐と青ネギを入れた汁物

●生姜をたくさん入れたいわしの当座煮

●ほうれん草のごま和え

●ジャガイモとソーセージの炒めもの

 

〈のっぺい汁〉

日本全国に分布する郷土料理の一つである。

地方によりいくつかの呼び方がある。

のっぺい、のっぺい汁、のっぺい煮、のっぺ、のっぺ汁、のっぺ鍋、のっぺ煮など

Wikipediaより引用

小説家の夫と専業主婦の妻とその子供の平凡な日常の物語。

 

露店で旬の食材を買って料理する、すごく田舎なのか何ともいえない

素朴な感じが読んでいて気持ちが落ち着きます。

 

そんな妻に夫は近所のラーメン屋、好好軒はおはおけんのうわさについて

小説を書いてみてはどうか?と持ちかけます。

 

出来上がった小説を夫に見せるときの妻の緊張感

それをほめる夫の不器用ながらもお互いを思いやるところに

とても心が温まりました。

色いでにけり 坂井希久子

今まで発表した小説にも食べ物の名前のタイトルが多いのが特徴で

どんな表現をしてくれるのか期待していました。

「注文の多い料理小説集」では食べ物の表現よりも

色にこだわった表現が多い印象でした。

登場する料理

薯蕷饅頭しょよまんじゅう

紅緋べにひ黄檗きはだ薄萌黄うすもえぎの三色を練りこんだきんとん

●白と紫、二色のそぼろあんを用いたきんとん

 

〈薯蕷饅頭〉

薯蕷とはヤマノイモのこと。ヤマノイモの根をすって

しん粉と砂糖を加えたものを皮としあんを包んで蒸したまんじゅう。

コトバンクより引用

 

おそらく時代設定は江戸で昔ながらの言葉づかい、生活の様子が

見れて読んでいておもしろいと思いました。

 

地道に暮らすお彩おあやの元に大きい茶会に出す菓子について

案を出してほしいと「春永堂」しゅんえいどうという上菓子屋の右近という男に頼まれます。

断ったものの、あることをきっかけに引き受けることにー。

 

「色いでにけり」は「色」がテーマになっていて

女性ならではのお彩の視点できれいなお菓子が出来上がります。

その名前は、菊重きくがさね白と紫、二色のそぼろあんを使ったきんとん。

 

高貴な女性の茶会ということで、お彩の頭に浮かんだのは紫。

それを単色ではなく白と混ぜることで淡い淡紫のお菓子が完成。

 

見た目も味も申し分ないその菓子はきっとお茶会で

注目を集めたと思います。

味のわからない男 中村航

恋愛小説が多く、平凡な日常の恋愛、繊細な表現が特徴。

「注文の多い料理小説集」では少しひやっとする内容でした。

お酒に酔っているときのLINEの返信はいつも以上に気をつけた方がいいなと感じました。

たった一つの軽はずみな行動がとんでもないことになることもある。と

いうことが書かれています。

登場する料理

●きときとの海の幸(きときとは富山の方言で「新鮮な」という意味)

●ゲンゲ汁(コラーゲンたっぷりプルプルな深海魚、ゲンゲを使ったすまし汁)

●裏メニューの富山ブラックカレー

 

グルメレポーターとして活躍する岩上と、岩上をプロデュースする平井舞子。

平井は今は事務所の幹部格になっていて

料理のレクチャー、岩上の子供のころのエピソード、雑誌の取材の受け答えも

考えてくれている、まさに岩上の立役者ともいえる存在。

 

岩上と平井舞子は婚約していて結婚を間近に控えていました。

 

そんな岩上のもとに富山でのグルメレポートの仕事が舞い込んできます。

現地に前日入りした岩上と、富山のスタッフ・中里と打ち合わせをしています。

 

そこで岩上は無理を言って仕事を引き受けたんだからと、

富山美人と飲みたいとマネージャーにリクエスト。

これがまさに悲劇の始まりとなってしまいました。

 

打ち合わせ当日、都合が合わず、地方タレントのヒロミちゃんと会うことは

できなかったんですが、以前に仕事を一緒にしたときに連絡先を交換していたことが判明。

 

打ち合わせが終わり、お酒も入った岩上は上機嫌でヒロミちゃんに

LINEでメッセージを送ります。

しかし!朝になり不穏なメッセージが来ていたことから

恐る恐るメッセージを開くと・・・

 

そこには平井舞子からの怒りのメッセージが( ̄◇ ̄;)

 

そう、岩上はヒロミちゃんと間違えて婚約者の平井舞子に送っていたんですね。

 

岩上は婚約を破棄され、事務所の幹部格の平井舞子に

「今まで通り仕事できると思わないでください」と言われ

愕然としてしまいます。

 

ショックから、その日のロケで食べた料理の味がわからず

岩上はその日初めて本当の涙を流すーというものすごく悲しい結末と

なってしまいました。

福神漬 深緑野分

生活のために食費を切り詰め、仕事をする女性にスポットを当てた作品。

ささやかなぜいたくを楽しんでいた女性が仕事の休憩中に

夢かうつつかわからないちょっぴり不思議な体験をします。

登場する料理

●三角形の茶色いおあげとネギが乗ったきつねそば

●福神漬がちょこんと脇を飾るカレーライス

●親子丼

●カツ丼

●磯臭いどころか生臭ささえあるあさり丼

●おしょうゆで茶色く染まったお豆腐

●薄すぎて透けている実のないおみそ汁

 

職場である病院の食堂でお昼を食べていると食堂の景色から一変

昔にタイムスリップしたかのような景色に変わる。

 

景色だけでなく、目の前のカレーライスも山盛りのごはんと少量の煮物、

お漬物らしき物と薄いおみそ汁に変わっているという何とも不思議な体験です。

 

そのお漬物は福神漬

 

カレーではなく白いごはんと食べる福神漬ってどんな味なんだろうって

興味が持てました。

カレーと一緒に食べるからこそ引き立つ福神漬

白いごはんと食べると白いごはんも引き立つのか

試してみるのもおもしろいですね。

 

元の景色に戻ってきたときに口の中に残っていた福神漬のかけらが

どっちの世界で食べたものかという描写も面白いです。

 

果たして彼女が見た景色は夢だったのか現実だったのか

ぜひ手にとって体験してみてはいかがでしょうか?^^

どっしりふわふわ 柴田よしき

ミステリ・サスペンス・SF・伝奇・ホラー小説など幅広いジャンルを

書いている柴田よしきさん。

どっしりふわふわは、少し甘酸っぱい恋愛と

夢を追いかける女性にスポットを当てた作品になっています。

登場する料理

●きんぴらごぼう

●こんにゃくのピリ辛炒め

●ひじきの含め煮

●ポテトサラダ

●豆腐とわかめのみそ汁

●うすくスライスされたパンにハムとチーズがはさまっているだけのサンドイッチ

 

パン屋を開くことを夢見る五十代の女性・朋子と三十代のヒロ

二人は恋仲になるけど年齢の違い・ヒロの将来を考え

ヒロには将来があるからと身を引く朋子

 

そして田舎に帰って暮らす朋子の元に突然ヒロが現れます。

独立してパン屋を開くというヒロをお祝いする朋子

 

しかし、ヒロ朋子と一緒にパン屋がやりたいと伝えます。

あなたが必要なんだ。そしてあなたのパンも必要なんだ。

というヒロに負けて、最初は反対していた朋子も一緒に

パン屋をすることを引き受けます。

ヒロの純粋な思いがやっと届いたんだと、そしてあきらめずに

願い続けていれば叶うんだと感じて

心が温まる小説でした。

 

また登場する料理もすごく素朴でお母さんの手作りというところも

ポイント高かったです。

まとめ

「注文の多い料理小説集」の感想を書かせていただきました。

高級料理から素朴な料理まで幅広く登場して

すごく楽しめる小説でした。

個人的には、素朴な料理の方がなじみやすく

ストーリーを引き立たせるのに充分すぎるほどでした。

料理をテーマにした小説はこれまで読んだことがなかったので

この機会に料理がテーマの小説を読んでいこうと思います。

 

短編集でサクッと読める内容なので

興味のある方、読んでみたいと思った方は

ぜひ手にとってみてくださいね^^

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

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